お気に入りといえば
つくったものを自分でも使っていますが、その中で特に気に入っているものを挙げよと
いわれたら、この木べらになります。
飛騨の山で育った山桜でできていて、もう5、6年になりますが、ほぼ毎日、食事の
用意に活躍しています。 これまでに扱ってきた食物の色素もしみ込んで、角が取れ、
暮らしの道具としての趣きが感じられるようになってきました。
スプーンやプレート、カッティングボードなど、他の道具もそれぞれ愛着があるのです
が、この木べらを選んだのには理由があります。
ひとつには、これが美味しい「ごはん」をつくることに貢献してくれていること。
包丁やまな板や菜箸などとともに、大事な大事なごはんをつくる時になくてはならない
ものだからです。
そして、もうひとつには、ここまでこだわってつくられた木べらを他に見たことがない
からです。 仕事柄、お店や、ウェブサイトなどでも、木の道具が出ていれば気になっ
て見たりします。 日本はもともと「しゃもじ」の文化でもあり、様々な木べらが売ら
れています。 それぞれに特徴があり、味わいがあります。 でも、なぜか、この木べ
らと同じようなフォルムのもの(持ち手の部分は特に)、同じようなコンセプトでつく
られたものに出会ったことはありません。
これはもしかしたら、一般的に木べらというものに馴染みがありすぎて、過小評価され
ていたり、どれも同じような、消耗品のようなものだと考えられているからかもしれま
せん。
美しく、軽くて、手に優しくフィットし、繊細な動きができる、使い易い木べらを丁寧
につくり、何年も愛用して、本当に気に入っています。 これを持つと手触りも良く、
「ごはん」をつくるのがちょっと楽しくなります。
Forest Bliss はネットを通じて商品を販売していますが、この木べらの良さは手に持っ
て動かして使う時の感覚にあるため、写真や説明文ではそれを伝えきれないのがもどか
しいです。
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