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                                                      クルミのこと

 

以前に住んでいた飛騨の家の裏にクルミの木があって、そこにリスが来ていました。

この写真は、家の窓越しに撮ったものです。 裏庭に落ちていたクルミの実を拾い、

あっという間に果肉を剥いてしまったところです。 この後、器用に殻を二つに割っ

て中身を食べます。 地面にはさっき食べ終わった殻が転がっています。

リスは、クルミの実を食べるばかりではなくて、時々地面に埋めたりもしています。

クルミの実が沢山ある今のうちに地面の中などに蓄えておいて、食糧の乏しくなった

時期に取り出して食べる為です。

見ていると、我が家の裏庭につくった小さな畑にも穴を掘って埋めたりしています。

​耕してあって土が柔らかく、掘りやすいからでしょうか?

こうして埋められたクルミの実は、全て食べられてしまうわけではありません。

らかは発芽して、そこからクルミの木が成長を始めます。  我が家にも、こうして

誕生したクルミの木が、鉢の中で今も育っています。

自然界に育つ木は動物のように動き回ることはできませんが、リスなどの動物の力

かりて​種子を蒔き、子を残します。

          

これはクルミの木を使ってつくったトレーです。 小ぶりで、ひとり分の飲み物と

おやつをのせてお家でまったりするようなイメージでつくりました。 木材として

のクルミは、柔らかくて、サクサクと削れます。 そして、手で触れると、ちょっ

とぬくもりのあるような肌触りです。

ところで、クルミというと、スーパーなどで売られている食用のクルミの実やその

を連想するかもしれませんが、上の写真でリスが持っているクルミとは種類が異

なります。 食用に売られているのはたいていカシグルミで、もともと外国から来

たものです。 日本の野山に自生しているのはオニグルミ、ヒメグルミなどで、上

のリスが持っているものも、トレーの材料となったのも、オニグルミです。

 

オニグルミは川縁などによく立っていて、川に落ちた実が下流に運ばれて、そこで

発芽、成長したりします。 動物の力ばかりでなく、自然力も味方につけて実を運

ぶクルミの木は、まさに「旅をする木」の代表格と言えるかもしれません。

          

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